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相続において財産目録を作成する目的|作成しない場合のリスクは?
相続が発生した際、どこにいくら財産があるのかわからないと、相続手続きがスムーズに進めることができません。
そのようなトラブルを防ぐために役立つのが財産目録です。
今回は相続において財産目録を作成する目的と作成しない場合のリスクについて解説していきたいと思います。
財産目録を作成する目的
財産目録は、相続財産の内容を一覧にした書類であり、相続人全員が情報を共有するための基盤となります。
財産目録を作成する目的について、以下の3つを紹介します。
- 相続手続きをスムーズに行うため
- 遺言書を作成するため
- 相続税の申告に利用するため
相続手続きをスムーズに行うため
財産目録を作成することで、相続人が共有するべき財産の種類や金額が明確になります。
現金や預金、不動産、有価証券、負債などが一覧で整理されていれば、遺産分割協議や名義変更などの手続きが円滑に進みます。
遺言書を作成するため
自身の財産を正確に把握しておくことで、資産の記載漏れをすることなく、遺言書を作ることができます。
遺言の内容がより具体的になるため、相続人同士のトラブルを防ぐ効果もあります。
相続税の申告に利用するため
相続税の申告では、財産目録をもとに財産の価値を正確に把握することが大切です。
財産の漏れがあると、延滞税や加算税などのペナルティが課される可能性があります。
財産目録を作成しない場合のリスク
財産目録を作成しないまま相続手続きを進めると、さまざまなトラブルや負担が生じる可能性があります。
財産目録を作成しない場合の主なリスクについて、以下の3つを解説します。
- 相続手続きに時間がかかる
- 遺産を承継するかどうかの判断が遅れる
- 相続税の申告でミスや漏れが起きやすい
相続手続きに時間がかかる
財産内容が整理されていないと、遺産分割協議や手続きに時間がかかります。
不動産の所在地や通帳の有無、借金の存在などを後から調べるのは手間がかかり、相続人にとって大きな負担となります。
遺産を承継するかどうかの判断が遅れる
財産目録がないと、遺産全体の把握が難しくなり、借金などの負債を見落としてします可能性があります。
相続人は、被相続人が亡くなったことを知った日から3か月以内に、相続するかどうかを決めなければいけません。
財産目録がなければ、相続するかどうかの判断材料が不十分となり、相続放棄や限定承認の申告期限に間に合わず、すべての遺産を相続してしまうリスクがあります。
相続税の申告でミスや漏れが起きやすい
財産内容が不明確なまま相続税申告を行うと、申告漏れや誤った金額での申告となる可能性があります。
後から追徴課税が課され、余計な負担が発生することもあるため注意が必要です。
まとめ
今回は相続において財産目録を作成する目的と作成しない場合のリスクについて紹介していきました。
間違った財産目録を作ってしまうと、相続税の申告ミスや不要なトラブルにつながる恐れもあります。
正確な手続きを行うためにも、行政書士への相談を検討してみてください。